
※思いがけず文章が長くなってしまったので、時間が有り余っている時にゆっくりお読みいただければ幸いです。
ようやく表彰台に上ることが出来ました。が、今回ダブルRからスポット参戦したマーカスに先に優勝されてしまったので、悔しい気持ちも強いです。久しぶりの表彰台ですのでもちろん嬉しいのですが、なんだか彼女を横取りされたような気分で。例えがいまいちですが。笑
今回の週末はとても良い天気に恵まれ、3日間とも文字通り雲ひとつない快晴でした。
天気が良いのはもちろん嬉しいのですが、2週間前の合同テストと比べると路面温度が倍以上も高くなってしまい、金曜日にはどのチームも対応に追われていました。
金曜日のフリー走行では午後のセッションで3位となり、予選に向けて車の調子は良かったのですが、残念ながら予選では2回とも運に見放されてしまい、100%の力を発揮できませんでした。今シーズンのイギリスF3のように、0.1秒で順位が3つも4つも変わってしまう状況の中ではこれは大きな痛手で、結局両レースとも7位からのスタートとなりました。さらに、第2レースの予選ではマーカスにポールポジションを獲られてしまい、落ち込み気味の土曜日となりました。今年全日本F3にフル参戦をしているマーカスと同じ土俵で戦えるとあって、実はかなり気合が入っていただけに悔しさもひとしおです。
予選は運に見放され不完全燃焼となってしまいましたが、決勝日は逆に運に恵まれました。やはり運・不運は神様が平等に振り分けているのだろうか、と思ってしまいます。
第1レースでは、スタートが上手く決まり1コーナーまでに2つ順位を上げることが出来ました。すると、1コーナーで僕の前を走る2台が接触し、1台はそのままリタイヤしました。これで4位。接触したもう一台は僕の前で走行を続けていたものの、リアウイングが半分取れかかっているような状態で、すぐにピットに戻ってしまいました。これで3位になりました。結果的には最後まで順位を守り切れたわけですが、このレースではレース中のペースがとても悪く、防戦一手のかなり危ういレースでした。
ちなみに、このレースで優勝したのはニック・タンディという選手だったのですが、実はこの選手、今年の5月に実のお兄さんを交通事故で亡くしているのです。しかも、そのお兄さんはニックが所属するチームの創始者であり監督でもありました。
そんな悲しい出来事があった直後のレースで、チームにとってもニックにとってもF3初めての優勝をしたのです。それだけでもすごいのですが、なんとニックの車はチェッカーフラッグを受けた直後にマシントラブルによって止まってしまったのです。
キリスト教徒でもない僕が神様神様というと失礼かもしれませんが、先ほどの運・不運の話といい、この日ほど神様の存在を感じてしまった日はありません。レースの後の会場の一体感はすごかったです。
さて、話を元に戻します。第2レースも7位からのスタート。最近のF3はかなり空力(ダウンフォース)に頼って走っているという特性上、レース中に追い越しをするというのはかなり難しいので、第1レースの時と同様、スタートで順位を上げることに狙いを定めていました。がしかし、狙い通りには行かず、1コーナーへは7位のまま進入しました。そこで、一か八かでいちばん外側のラインを通ったのですが、これが大成功で、1周目を終えた時には5位に上がっていました。実は、1周目は少し無理をしながら順位を上げたので他の車と軽く接触をしてしまっていたのですが、僕はほぼ無傷で走行を続けることが出来ました。これは運に助けられました。
そして、気が付けばトップを走っていた選手にペナルティが出され、4位に浮上。結局最後まで3位を走る選手を追い抜くことは出来ませんでしたが、第1レースの後にチームが施してくれたセッティングの変更によってレース中の車の感触がかなり良くなったので、実りのあるレースだったと言えると思います。それだけに、予選の結果が非常に悔やまれますが・・・
そういえば、今回のレースを終えてポイントランキング上で3位に浮上したようです。ですが実は、あまりポイントのことは意識しておらず、まずは安定性よりもぴかっと光る結果を・・・なんて思いながらレースをしているのです。しかし、図らずもとはこのことで、気が付けば開幕以来全レースで6位以内に入っている唯一のドライバーだそうです。もちろんポジティブなことですが、響きが何とも地味で。笑
写真の真ん中に写っているのは、チームの監督です。髪の毛がキューピーみたいになっていますが。
監督についてはまた別の機会に紹介をします。